翆苓は先帝の孫。蘇りの薬を調合できる薬師です。子昌(父)と大宝の娘(母)の間に生まれました。
壬氏との関係は従姉弟です。翆苓は一連の事件の罪人として一度死亡しましたが生きていました。
この記事では、薬屋のひとりごとの登場人物である翆苓について探っていきます。
薬屋のひとりごと:翆苓は事件の犯人なのか
翆苓の基本情報
名前 | 翆苓(スイレイ) |
本名 | 子翆(シスイ) |
立場 | 薬師。先帝の孫。楼蘭(子翆)の妹(異母姉妹)。壬氏の従姉弟。 |
年齢 | 22歳 |
性別 | 女性 |
両親 | 父:子昌。母:大宝の娘。祖父:先帝。祖母:大宝。 |
特徴 | 身長は高い。男装が似合う。虫嫌い。 |
能力 | 蘇りの薬を調合。切断された腕を縫合する技術。 |
翆苓が犯人とされる一連の事件は繋がっており、祭事中に柱が落下し壬氏の命が狙われました。
- 小火騒ぎで警備が手薄になり、別の場所では祭具の盗難が起きます。
- 酒好きの高官、浩然は祭具の管理していましたが死亡しました。
- 珍味好きの官吏は祭事を担当していましたが、意識が戻りません。
- 祭事に使われた祭具は、鉛中毒で亡くなった職人が作ったものです。
- 職人秘伝の技は、低い温度でも金属が溶ける仕組みでした。
翆苓は小火騒ぎの関係者
翆苓からは、白檀の香りと苦味を帯びた独特の匂いがしました。
倉庫番は、背の高い官女から象牙の煙管をもらっており、顔は見えなかったようですが、彼女からは薬の匂いがしたと話しています。
猫猫は、小火騒ぎの現場近くで象牙細工の煙管を拾いました。
倉庫には小麦粉が保管されており、小麦粉が飛び散り、煙草の火が付いて爆発が発生しました。
小火騒ぎで倉庫に多くの人々が集まり、ほぼ同時に別の場所で祭具が盗まれました。警備が薄くなった場所に忍び込んだ者がいたのです。
倉庫番はボヤ騒ぎの責任を取らされ、解雇されました。
酒好きの高官:浩然の死
浩然は50歳過ぎの高官で、祭具を管理していました。
宴席で大量の酒を飲み死亡しており、酒瓶を瓶ごと飲み干す豪快な武人として知られていました。
浩然は壬氏が小さい頃にお世話になった人で、妻と子を流行り病で亡くしていました。
かつては大の甘党でしたが、ある日突然辛党に変わりました。
彼の飲んでいた瓢箪から大量の塩が発見されており、味覚障害を患っていたことが明らかになりました。
宴席で割れた酒瓶にも大量の塩が含まれていたことが判明しました。
誰かが意図的に混入するよう仕向けた可能性もあるのです。
珍味好きの官吏:昏睡状態
官吏は河豚の膾を食べて昏睡状態に陥りました。
しかし、実際には河豚ではなく他の魚が使用され、南方から持ち込まれた冬場に食べる習慣のない海藻が含まれていました。
官吏の弟は、酒場で得た情報から海藻に毒があることを知り、兄に食べさせたことが原因でした。
この官吏は礼部の部署で祭事を担当していました。
職人の死:壬氏を狙う祭事中の事故
祭事では柱が落下し、壬氏の命が狙われました。
祭事では、鉛中毒で死亡した職人の祭具が使用されていました。
本来柱は倒れないように設計されていますが、職人一家は低温で金属を溶かす秘伝の技を持っていたのです。
父親は技術を伝えず、代わりに家族で茶会を楽しむよう遺言しました。
彼の遺産は、長男に小屋、次男に箪笥、三男に金魚鉢でした。箪笥の鍵は一つだけありましたが開かなかったのです。
猫猫は金魚鉢に水を張り、昔の茶会の時間に光を鍵穴に当て、鋳型入りの柔らかい金属が中に入っている引き出しを開けました。
それによって、3つの引き出しの鍵が開かれ、中には異なる大きさの金属と結晶が入っていました。
2つの塊は鉛と錫で、もう一つを混ぜると新しい金属ができました。
末っ子だけがお茶会の意義を理解し、職人の技術を受け継いだと思われます。
薬屋のひとりごと:翆苓と壬氏の関係
翆苓と壬氏は先帝の孫であり、二人の関係は従姉弟でした。
子翆(楼蘭)と翆苓の関係は、母違いの異母姉妹です。
翆苓と壬氏の関係:従姉弟(先帝の孫)
翆苓と壬氏は先帝の孫であり、二人の関係は従姉弟になります。
翆苓は先帝の孫であり、子昌(父)と大宝の娘(母)の間に生まれました。
壬氏もまた先帝の孫であり、阿多と皇帝の間に生まれたのです。
大宝は翆苓の祖母にあたり、神美のお付きとして後宮務めしていました。
大宝は幼女趣味の先帝に気に入られ、長女を出産しました。しかし、先帝は我が子として認めず、大宝の娘は大宝と元医官の不義で生まれた子として処理されました。
元医官と大宝の娘は後宮から追放され、子昌が保護したのです。
先帝は娘が成長した頃、我が子を子昌の妻として娶るよう要求しました。何でも望むものを与えると言われ、断れない子昌は大宝の娘を妻にしたのです。
そして、子昌と大宝の娘の間に生まれたのが、翆苓でした。
翆苓の生まれた時の名前は「子翆」、先帝は孫と認め鳳凰の簪を与えたのです。
翆苓の正体:子翆(楼蘭)と異母姉妹
楼蘭は、子昌(父)と神美(母)の間に生まれました。
子昌は、先帝から神美を下賜され正妻にしており、翆苓と楼蘭は異母姉妹でした。
神美は子翆の名前と簪を奪い楼蘭に与えました。
翆苓の本名は子翆でした。
神美は子一族の「子」名を継ぐことを許しませんでした。母と翆苓を屋敷から追い出し、使用人として扱いつらく当たったのです。
薬屋のひとりごと:翆苓の目的と強さ
翆苓は神美に支配され操られていました。
しかし、薬師としての賭けに勝ち、蘇りを成功させており、やり遂げる強さがありました。
翆苓の目的と神美の関係
翆苓は神美に操られ支配されており、正常な判断ができなくなっていました。
翆苓は薬師としての賭けに勝ち、蘇りにも成功しました。
壬氏の命が狙われた一連の事件では、猫猫に棺のカラクリを知られなければ、翆苓の完全犯罪は成功していたでしょう。
しかし、翆苓は何処か冷めており、諦めたような目をしていました。
神美の目的は国への復讐であり、国を滅ぼそうとしていたのです。
翆苓は日常的に虐待されており、精神障害を患うほど追い詰められ利用されていました。
翆苓の強さ:死を恐れずやり遂げる
翆苓は優秀な薬師で、蘇りの薬を調合できる能力を持っています。
彼女には、死を恐れず命がけでやり遂げる強さがありました。また、事件を事故に見せかける知識や度胸があり、騙す勇気もあったのです。
祭事では、天井の柱が落ち壬氏の命が狙われました。
翆苓は一連の事件の犯人として浮上しましたが、刑部の者が証拠を収集しに向かうと、翆苓は毒を服用し死亡していました。
医官によって死亡確認され、翆苓は罪人として扱われる予定でした。しかし、猫猫が疑念を抱き、死体置き場を調べたところ、翆苓の棺には別の死体が入っており、彼女は姿を消していました。
翆苓は助けが到着する前に蘇り、消えたのです。棺のなかの遺体が燃えていれば、翆苓の完全犯罪は成功でした。
蘇りの薬:翆苓の左腕に麻痺が残る
蘇りの薬は、体を一度殺すために使われ、その代償として後遺症が残ることがあります。
翆苓の左腕には、麻痺が残り指先が震えていました。
蘇りの薬を調合する際、失敗すると記憶まで失う危険性がありました。翆苓の師は、湯治場で寝ており自分が誰かも覚えていないのです。
蘇りの薬には、曼陀羅華(朝鮮朝顔)と河豚を使用したと考えられます。これらの毒を組み合わせることで相殺する方法があるようですが、翆苓は曼陀羅華が必要ないと主張しました。
また、異国では調合書が存在し、昏睡状態を引き起こして奴隷を作る際に使用されていました。
薬屋のひとりごと:翆苓のその後
翆苓は一連の事件の罪人ですが、罪には問われませんでした。
その後は、阿多の住む離宮で監視されることになりました。
翆苓のその後:猫猫を人質にし逃亡
翆苓は、姿を消していましたが、再び後宮を訪れました。
猫猫を人質にする際に、子翆を連れて逃亡しました。猫猫が断れないよう、蘇りの薬の作り方を餌にしたのです。
翆苓は偽名を使い、男装姿で潜入していました。そして、後宮からは宦官の一人、天(ティエン)が姿を消していました。
後宮と外を繋いでいたのは古い祠でした。
毛毛はこの入り口を通り外から来ており、祠の下には通れるほどの穴がありました。
新緑が見張り役で、翆苓は淡々と作業をこなしており、子昌の砦へ向かったのです。
翆苓は阿多の別邸で監視される
翆苓は、一連の罪に問われず、阿多の住む別邸で監視されています。
楼蘭(子翆)は最後、壬氏と約束しており、一度死んだ者を見逃すよう要求していました。
また、翆苓は先帝の孫であることから、罪には問われなかったのです。
西都へ向かう際には、翆苓は阿多に同行していました。
翆苓は縫い物が得意であり、旅路では重宝されていました。盗賊に切り落とされた護衛の腕を縫合するのにも慣れていたのです。
また、猫猫とは気が合うようで、珍しい植物があれば書き留めていました。
まとめ
- 翆苓は先帝の孫であり、子昌(父)と大宝の娘(母)の間に生まれました。
- 翆苓の本名は「子翆」であり、楼蘭との関係は異母姉妹でした。
- 楼蘭が生まれ、子翆の名前と鳳凰の簪を奪われ「翆苓」と名乗ります。
- 翆苓は蘇りの薬を調合できる能力を持ち、自ら使用し蘇りました。
- 翆苓には、死を恐れず命がけでやり遂げる強さや度胸がありました。
- 壬氏の命が狙われた一連の事件には繋がりがありました。
- 翆苓は、神美に操られ正常な判断ができなくなっていました。
- 翆苓は罪人でしたが罪には問われず、阿多の離宮で監視されています。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
ご参考になれば幸いです。
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